ドバイに税金がないは半分本当!0%の税目と日本側の課税まで解説

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『ドバイは税金がない』

YouTubeやSNSでそう聞いて、本当だろうかと確かめに来た方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、この話は『半分本当』です。個人の所得税・住民税・相続税・贈与税・固定資産税は確かに0%ですが、消費税にあたるVAT5%と法人税9%は存在します。

そして日本に住んだままなら、日本側の課税は続きます。この記事では、Christie’s International Real Estate Dubaiの総販売代理店として累計800件以上の取引を支援してきたD.D CRESTが、制度の正確な中身を一次情報に基づいて解説します。

この記事でわかること

  • ドバイでゼロになる税金と、実際にかかる税金(VAT5%、法人税9%など)の全体像
  • 税金を取らずに国が成り立つ、ドバイの財源の仕組み
  • 日本人が注意すべき日本側の課税(非居住者判定、出国税、海外資産の申告)

※本記事の情報は2026年7月時点のものです。

ドバイに税金がないは半分本当で個人の税金はほぼ0%

まず全体像からお伝えします。ドバイでは、個人の収入や資産に対する税金はほぼゼロです。

一方で、買い物にかかる税金と会社の利益にかかる税金は存在します。『税金が一切ない国』ではありません。

税目ドバイ(UAE)日本
所得税なし5〜45%の累進課税
住民税なし標準税率10%
相続税なし最高55%
贈与税なし最高55%
固定資産税なしあり
消費税VAT5%10%(軽減税率8%)
法人税9%(課税所得37.5万AED超の部分)実効税率29.74%

出典元:UAE政府公式ポータル(u.ae)の税制ページ

ここではドバイの税金について解説していきます。

給料や投資の利益に税金はかからない

ドバイには、個人の所得に課税する制度そのものがありません。UAE政府の公式ポータルにも『The UAE does not levy income tax on individuals(UAEは個人に所得税を課さない)』と明記されています。

給与だけでなく、株式の配当や売却益といった投資の利益も、個人に対しては非課税です。個人の確定申告という手続き自体が原則ありません。

ただし、これはあくまで『ドバイ側では』という話です。日本に住んでいる方は、ドバイで得た利益にも日本の税金がかかります。この点は記事の後半で詳しく解説します。

相続税や贈与税など資産を渡すときの税金も0%

ドバイには相続税・贈与税がなく、不動産を持っているだけでかかる固定資産税もありません。

一方日本では相続税が最高55%、贈与税も最高55%です。

ただし注意点が1つあります。資産を受け取る相続人が日本に住んでいる場合、ドバイの不動産にも日本の相続税がかかります。

詳しい条件と手続きはドバイ不動産の相続と日本の相続税の解説記事とドバイ不動産の贈与の解説記事にまとめています。

あわせて読みたい ドバイ不動産を相続すると日本の相続税はどうなる?資産承継の考え方を解説 あわせて読みたい 贈与でドバイの不動産を移すとどうなる?相続との違いと承継の方法

買い物でかかる消費税は5%

ドバイにも、日本の消費税にあたる税金はあります。正式にはVAT(付加価値税)と呼ばれ、2018年1月1日に導入されています。

税率は5%で、日本の標準税率10%の半分にあたります。また、健康に害があるとされる商品には物品税という別の税金が2017年から導入されています。

たばこ(電子たばこ含む)やエナジードリンクは100%、炭酸飲料・加糖飲料は50%です。

会社の利益には法人税9%がかかる

『ドバイは法人税もゼロ』という情報を見かけますが、これは古い情報です。実は、2023年6月1日以降に開始する事業年度から、UAEに法人税が導入されています。

税率は、課税所得37.5万AED(約1,670万円。1AED=44.6円、2026年7月時点の為替レート)までは0%、それを超えた部分は9%です。

小規模な事業であれば実質的な負担はほぼ生じない設計になっています。日本の法人実効税率29.74%と比べると、9%という水準でもなお大きな差があります。

なお、フリーゾーン(経済特区)の企業には優遇制度の継続が明記されていますが、条件が細かいためここでは深入りしません。

不動産投資との関係はUAE法人税とドバイ不動産の解説記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい ドバイ不動産投資は個人保有と法人保有のどちらを選ぶ?UAE法人税の影響を解説

ドバイの税金がゼロでも国が成り立つ財源の仕組み

ここまで読むと、素朴な疑問が湧いてきます。

  • 税金を取らずに、国はどうやって稼いでいるの?
  • 警察や道路などの公共サービスはどうしているの?

実際、Yahoo!知恵袋でも同じ質問が繰り返し投稿されています。答えを先にお伝えすると、ドバイの財源は石油ではなく『手数料と観光』です。

ここでは、ドバイの税金がゼロでも国が成り立つ仕組みについて解説します。

収入の柱は企業からの手数料と観光

ドバイ政府の歳入の中心は、企業の営業ライセンス取得・更新料や、政府サービスの利用手数料です。2022年度予算では、手数料を中心とする非税収入が歳入全体の57%を占めています。

これに観光収入や不動産の登録料が加わります。いわば『税金の代わりに、手数料で薄く広く取る国』です。

UAE政府自身も、VAT導入の目的を『石油など炭化水素への依存を減らすため』と説明しています。

石油に頼っているという通説は誤解

『石油が豊富だから税金を取らなくていい』という説明を見かけますが、これは誤解です。

ドバイ政府の歳入に占める石油収入は、2022年度予算でわずか6%です。

石油が豊富なのは隣のアブダビ首長国で、ドバイは貿易や観光、金融や不動産で成長してきた都市です。石油に依存しない歳入構造だからこそ、無税という国家戦略を続けられていると言えます。

日本とドバイの税金比較でわかる手取りの差

では、日本と比べて負担はどれくらい違うのでしょうか。

差が最も大きいのは、所得税・住民税と相続税です。日本の所得税は5〜45%の累進課税で、課税所得4,000万円を超えた部分には最高税率45%がかかります。

これに住民税の標準税率10%が加わります。

課税所得ベースで、両国の負担を並べてみます。

課税所得日本(所得税+住民税の概算)ドバイ居住の場合
3,000万円約1,220万円(負担率 約41%)0円
5,000万円約2,270万円(負担率 約45%)0円
1億円約5,020万円(負担率 約50%)0円

※『ドバイ居住の場合』は、日本の非居住者と認められ、所得がドバイ側のみで生じている前提です。この前提の成立条件こそが最大の注意点で、以降で解説します。

数字だけ見れば大きな差です。ただし、この差をそのまま受け取れるかどうかは『どこに住んでいるか』で決まります。

ドバイ不動産の購入から売却までにかかる税金と費用

次に、不動産投資家の視点で整理します。ドバイ不動産にかかる税金はほぼゼロですが、押さえるべきは購入時の登録料4%と、日本側の課税についてです。

購入から売却までを4つの場面に分けて見ていきます。

ここからは、ドバイ不動産の購入から売却までにかかる税金と費用について解説します。

不動産を購入するときは物件価格の4%の登録料がかかる

ドバイで不動産を買うとき、税金はかかりません。ただしDLD(ドバイ土地局。不動産登記を管轄する政府機関)への登録料が物件価格の4%かかります。

ただし、登録料の4%は慣行として売主2%・買主2%で負担するのが一般的です。このほか、権利証の発行手数料250AEDなどの事務手数料は実費でかかります。

日本で不動産を買うと不動産取得税や登録免許税がかかることを考えると、体系はシンプルです。DLDの役割と手続きの詳細はDLD(ドバイ土地局)の解説記事をご覧ください。

あわせて読みたい ドバイのDLDとは?不動産購入で発生する手数料と登録手続きの流れ

不動産を持っているだけなら固定資産税はかからない

購入後、物件を保有しているだけでは税金は一切かかりません。日本の固定資産税にあたる税がないため、長期保有の負担が軽いことはドバイ不動産の投資妙味の1つです。

ただし、税金とは別にサービスチャージ(マンションの管理費・修繕積立にあたる費用)は毎年かかります。金額は物件や広さによって変わります。

『税はゼロ、ただし維持費はゼロではない』と覚えておくと良いでしょう。

家賃収入があると日本に住んだままでは日本で課税される

物件を貸して家賃収入を得た場合、ドバイに住んでいれば課税はされません。

しかし日本に住んでいる方は注意が必要です。日本の居住者は、世界中のどこで得た所得にも日本の税金がかかるルールになっています。

そのためドバイの家賃収入も、日本で確定申告と納税が必要です。

『ドバイで無税だから、まるごと無税』ではありません。

申告の方法や居住者・非居住者による違いは、ドバイ不動産の家賃収入と日本の課税の解説記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい ドバイの不動産で家賃収入を得たら?日本の申告と売却時の税金の考え方

売って利益が出たときも日本で申告が必要

売却で利益が出た場合も、構図は同じです。ドバイ側では個人の売却益に課税されません。

日本の居住者であれば、譲渡所得として日本での申告・納税が必要です。

計算方法や注意点はドバイ不動産の売却益と日本の税金の解説記事にまとめています。

あわせて読みたい ドバイの不動産売却益は日本でどう課税される?譲渡所得の計算と確認したい費用

法人名義で持つと法人税9%がかかる場合がある

ドバイ不動産の購入には、UAE法人を設立して物件を保有し、賃料を得る方法もあります。この場合、法人の利益がUAE法人税9%の対象になる可能性があります。

個人名義と法人名義のどちらが有利かは、投資規模や居住状況によって変わります。個別の判断は専門家や無料相談の場でご確認ください。

制度の詳細については、UAE法人税とドバイ不動産の解説記事で解説しています。

あわせて読みたい ドバイ不動産投資は個人保有と法人保有のどちらを選ぶ?UAE法人税の影響を解説

日本に住んだままではドバイの税金メリットは受けられない

ここまでのメリットを読んで、『では自分も』と考える前に、必ず知っておくべきことがあります。ドバイの税制メリットをフルに受ける大前提は、日本を離れて『日本の非居住者』になることです。

ここでは、知らないうちに日本の税法上問題のある状態にならないための安全ガイドとしてお読みください。

移住して非居住者と認められることが大前提

非居住者とは、日本の税法上『日本に住んでいない人』という区分です。日本の税法では、国内に住所を持つ人、または1年以上居所がある人が『居住者』とされ、それ以外が非居住者となります。

重要なのは、生活の本拠かどうかは住居や職業、家族や資産の所在といった客観的な事実で総合的に判定される点です。

住民票を抜いただけ、海外に半年いただけでは認められません。形だけの移住は通用しない、と考えてください。

出国するときは株などの含み益に税金がかかる場合がある

資産規模が大きい方は、出国のタイミングにも注意が必要です。

国外転出時課税、いわゆる出国税といった制度があり、1億円以上の有価証券などを持つ一定の居住者が海外に移住するとき、売却していなくても含み益に所得税がかかります。

主な対象は株式や投資信託、未決済のデリバティブ取引などです。出国前10年以内に日本に合計5年超住んでいた方が対象で、要件を満たせば納税を猶予する制度もあります。

資産が大きい方ほど、移住前の設計が結果を左右します。実行前に必ず税理士など専門家にご相談ください。

5,000万円を超える海外資産は日本への申告義務がある

移住せずにドバイへ投資する場合にも、忘れてはいけない義務があります。

国外財産調書という海外資産の報告書類です。12月31日時点で海外資産の合計が5,000万円を超える日本の居住者には提出義務があり、期限は翌年6月30日です。

虚偽の記載や正当な理由のない不提出には、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められているため注意が必要です。

『黙っていれば分からない』は通用しない時代です。誠実に申告した上で、制度のメリットを正しく使うことが、資産を守る最善の方法でしょう。

移住には投資額に応じた長期ビザの取得が必要

実際にドバイへ移住するには、就労や投資などに基づくビザが必要です。

不動産投資家に関係が深いのは投資家向けの長期ビザで、200万AED以上の不動産保有が要件になる取得ルートがあります。

ビザの年数の区分や申請手続きの詳細は、ドバイのゴールデンビザの解説記事で解説していますので参考にしてください。

あわせて読みたい ドバイに永住権はある?ゴールデンビザ制度の実態と取得条件

※税務の個別判断は、必ず税理士などの専門家にご相談ください。本記事は制度の一般的な解説であり、個別の税務助言ではありません。

ドバイの税金についてよくある質問

ドバイはタックスヘイブンですか?

個人の所得や資産への税金がほぼない点で、タックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれることがあります。 ただし実際にはVAT5%と法人税9%が存在するため、『完全な無税国家』ではありません。『個人への直接税がほぼない国』という理解が正確です。

ドバイに消費税はありますか?

あります。VAT(付加価値税)という名前で、税率は5%です。日本の標準税率10%と比べると半分の水準になります。

相続税や贈与税は本当にゼロですか?

ドバイ側にはどちらもありません。 ただし、資産を受け取る相続人が日本の居住者であれば、日本の相続税の対象になります。海外資産だから日本の相続税と無関係、とはならない点にご注意ください。

移住しなくても節税になりますか?

なりません。日本の居住者は世界中の所得が日本の課税対象になるため、ドバイ不動産の家賃収入や売却益にも日本の税金がかかります。 ドバイ側の税金がゼロでも、日本側の納税義務は変わりません。

税金がないのに、警察や年金などの公共サービスはどうなっていますか?

公共サービスは、ライセンス料などの手数料収入や観光収入といった税以外の歳入で運営されています。 一方で、日本のような公的年金を前提にした生活設計はできません。移住を考える場合、老後資金は自分で設計する必要があります。

まとめ

ドバイに税金がないという話は、半分本当です。個人の所得税・住民税・相続税・贈与税・固定資産税は0%ですが、消費税にあたるVAT5%と法人税9%は存在し、不動産購入時にはDLDへの登録料4%がかかります。

そして最大の注意点は日本側にあります。日本に住んだままでは全世界の所得に日本の税金がかかり続け、メリットをフルに受けるには非居住者と認められるという高いハードルを越える必要があるのです。

出国税や国外財産調書といった制度も、知らずに動くと足をすくわれかねません。ご自身の資産規模や目的の場合にどんな選択肢があるのかは、正確な制度理解の上で個別に検討することをおすすめします。

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