TOP(ドバイ不動産投資開発・売買仲介なら|D.D CREST) » コラム » 贈与でドバイの不動産を移すとどうなる?相続との違いと承継の方法
ドバイにある不動産は、現地で贈与税が課されない一方、日本では贈与税の対象に含まれることがあります。
また、贈与と相続では課税のタイミングや評価の基準が変わるため、承継の方法によって税負担や手続きの進め方が変わります。
本記事では、
を解説します。
ドバイでは贈与に対する課税は設けられていませんが、日本では受け取る人の属性によって課税対象が決まります。
ここでは、ドバイにある不動産の贈与に対する日本の課税を解説します。
財産を受け取った人(受贈者)が、日本に住所を持つ場合、その人は国外財産も含めて贈与税の対象になります。ドバイにある不動産も同じ扱いです。
贈与税は、財産がどの国にあるかではなく、受贈者の住所を基準に課税範囲を決める仕組みです。
そのため、現地で課税されない資産であっても、日本で申告が必要になるケースが生じます。
まずは、受け取る人が日本居住者に当たるかを起点に確認してください。
贈与では、財産を渡す人と受け取る人の住所の組み合わせによって、日本で課税対象となる範囲が変わります。
受贈者が日本非居住者であっても、贈与者の住所や国籍によっては、日本で課税対象に含まれることがあります。
そのため、どちらか一方の属性だけで決めるのではなく、贈与者と受贈者の条件をそろえて課税関係を判定してください。
「海外に住んでいるから日本では課税されない」とは言い切れない点が重要です。
法人を通じて不動産を保有している場合は、不動産そのものではなく、株式や持分を移す形で扱われます。
日本側では、どの資産を贈与したのかを区別して課税関係を判断します。
たとえば、法人の持分を移転する場合は、その持分の価値が贈与税の対象です。
不動産の評価額だけを基準にすると、課税対象の範囲を誤るおそれがあるでしょう。
法人保有では、移す対象を先に切り分けておく必要があります。
日本で贈与税の申告が必要となる場合、ドバイにある不動産も日本のルールに沿って評価額を出します。
ここでは、贈与時に使う評価額を解説します。
贈与税では、財産を移した日の時価を基準に評価額を決めます。
国外財産についても、合理的に算定した時価であれば、その価額によって評価して差し支えありません。国税庁も、この扱いを認めています。 (※)
そのため、取得時の金額をそのまま使うのではなく、贈与した時点でいくらの価値があるかを基準にしてください。
相続とは評価の時点がずれるため、同じ不動産でも贈与と相続で税額が変わることがあります。
※参考:国税庁「国外財産の評価――国外で相続税に相当する税が課せられた場合」
評価額の根拠を示す資料としては、DLD(Dubai Land Department/ドバイ土地局)の Valuation Certificate(評価証明書) や、公認鑑定士による鑑定評価書が使えます。
DLDにはProperty Valuationの公式サービスがあり、評価証明書の確認サービスも用意されています。
あわせて、周辺の売買事例、購入時の契約書、送金記録などをそろえておくと、価格の根拠を説明しやすくなるでしょう。
資料がひとつしかない状態だと、贈与時点の時価を示しにくくなるため注意してください。
外貨建て資産は、日本円に換算した金額で贈与税を計算します。
国税庁によれば、贈与によって財産を取得した場合は、贈与を受けた日のTTBまたはこれに準ずる相場で邦貨換算します。(※)
ドバイにある不動産は金額が大きくなりやすいため、為替が1円動くだけでも、日本円換算額が大きく変わることがあります。
現地価格だけで判断せず、贈与日の為替水準まであわせて確認してください。
また、評価額が大きい物件では、為替がわずかに動くだけでも日本円換算額が大きく変わるため、贈与日のレート確認を後回しにしない方がよいでしょう。
※参考:国税庁「No.4665 外貨(現金)の邦貨換算」
ドバイにある不動産を贈与する場合は、日本の申告とは別に、現地で名義変更と費用の支払いが発生します。
ここでは、贈与時の手順と現地コストを解説します。
「誰から誰へ」「どの不動産を移すのか」を契約上はっきりさせます。
物件名や登記番号、持分割合などを具体的に記載してください。
内容が曖昧なままだと、現地での名義変更や日本での申告に支障が出ることがあります。
契約段階で移転内容を確定させておくと、その後の手続きが進めやすくなります。
ドバイの不動産を贈与した場合は、DLDで所有権移転の手続きを進めます。
売買とは別の手続きとして扱われるため、必要書類や流れも異なります。
相続と同様に、名義は自動で切り替わりません。
贈与契約に基づいて、現地で正式な移転手続きを完了させてください。
親族間贈与では、名義変更の前提として親族関係を示す書類が必要になります。
日本の公的書類を使う場合は、認証や翻訳の手順まで含めて早めに準備しましょう。
ドバイでは贈与税は課されませんが、DLDで不動産贈与登録を進める際には登録費用がかかります。
DLDのProperty Gift Registration(不動産贈与登録)では、評価額の0.125%、最低AED2,000の費用が示されています。
親族間贈与では、この不動産贈与登録の手続きに加えて、親族関係を示す書類も必要です。
贈与税の申告は、財産を受け取った受贈者が行います。申告期限は、贈与を受けた年の翌年3月15日までです。
評価額の資料や契約内容をもとに、日本での申告手続きを進めてください。
現地手続きと並行して準備を進めておくと、申告時の負担を抑えやすくなります。
ドバイにある不動産の承継では、贈与と相続のどちらを選ぶかで税負担や手続きの流れが変わります。
ここでは、贈与と相続の違いを解説します。
ドバイにある不動産を家族へ移す場合でも、贈与と相続では税金が発生する時点が違います。
贈与は自分の意思で移した時点が基準となり、相続は死亡時点で課税関係が決まります。
| 項目 | 贈与 | 相続 |
|---|---|---|
| 課税の起点 | 資産を移した時点 | 死亡時点 |
| 本人の意思で時期を決める余地 | 大きい | 小さい |
| 承継の準備を始める時期 | 生前 | 相続開始後 |
承継の時期を自分で決めたいのか、死亡後にまとめて移すのかによって、選ぶ方法は変わるでしょう。
贈与では移転した日の時価、相続では死亡日の時価を基準に評価します。
そのため、同じ不動産でも、承継の時期が違えば評価額も変わります。
ドバイにある不動産は、現地価格の動きに加えて、円換算時の為替にも影響を受けます。
贈与を選ぶと、その時点の価格と為替で税額が決まり、相続を選ぶと死亡時点の価格と為替で決まる流れです。
価格が上がりやすい局面なのか、為替が大きく動いている時期なのかも含めて、評価のタイミングを比べておきましょう。
贈与では「だれに」「いつ」「どの資産を移すか」を生前に決められます。
一方、相続では法定相続や遺言の影響を受けるため、本人の意思だけで完結しません。
資産の配分を早めに決めたい場合は、承継先の決め方まで含めて贈与と相続を比べておく必要があります。
ドバイにある不動産を贈与する場合は、どの制度で申告するかによって税負担の出方が変わります。
ここでは、日本の贈与税制度の違いを解説します。
ドバイにある不動産を贈与する場合、日本ではどの制度を使うかによって税負担の出方が変わります。
| 項目 | 暦年課税 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 年110万円 | 年110万円 |
| 特別控除 | なし | 累計2,500万円 |
| 税額の扱い | その年ごとに計算 | 将来の相続で精算 |
| 制度選択後の扱い | 毎年判定 | 同じ贈与者からは戻せない |
暦年課税は毎年の贈与額ごとに計算し、相続時精算課税は将来の相続まで含めて扱う仕組みです。
制度を選ぶ前に、計算方法と制約の違いを押さえておきましょう。
2024年以後の贈与からは、相続時精算課税でも年110万円の基礎控除が使えます。
少額の贈与を扱いやすくなった一方で、基礎控除を超えた部分は将来の相続時に持ち戻して計算します。
その年の税額だけでなく、相続まで含めた負担を比べて制度を選んでください。
贈与と相続のどちらを選ぶかによって、税負担や手続きの流れは変わります。
ここでは、承継方法を選ぶときに押さえておきたいポイントを解説します。
贈与税と相続税は、税率や控除の仕組みが異なるため、税率だけで比べると判断を誤る可能性が高くなります。
評価額、為替、適用する制度によって、最終的な税額は変わります。
特に、ドバイにある不動産は円換算の影響を受けるため、贈与時と相続時で課税額が大きく動くこともあるでしょう。
税率だけで結論を出すのではなく、評価額と移転の時期をあわせて確認してください。
不動産を移した後に、だれが管理を担当するかによって適した方法は変わります。
日本に住む家族が管理するのか、現地の管理会社に委託するのかによって、手続きの進め方や負担は変わるものです。
贈与で早めに移す場合は、受贈者が管理を引き受けられる状態にあるかを確認しておく必要があります。
相続で引き継ぐ場合でも、承継後にだれが対応するのかを先に決めておくことが重要です。
一度にすべての資産を移すのではなく、複数回に分けて贈与する方法もあります。
暦年課税の基礎控除を使いながら少しずつ移す形であれば、贈与税の負担を分散できるケースもみられます。
ただし、評価額が大きい資産では一度の贈与で控除を超えることも多いため、制度の適用条件とあわせて確認してください。
どの範囲をどの時点で移すかを決めておくと、承継後の手続きや管理の役割分担も決めやすいでしょう。
ここでは、ドバイにある不動産の贈与についてよくある質問を紹介します。
夫婦間や親子間であっても、贈与税がかかることがあります。
だれに渡したかだけで自動的に非課税になるわけではないため、基礎控除や適用できる制度を受贈者ごとに確認してください。
共有持分だけを移す形でも、贈与はできます。
ただし、日本側では移した持分の価値をもとに贈与税を計算するため、持分移転後の管理方法や売却時の判断まで決めておくことが重要です。
日本の贈与税は、贈与した時点の住所関係や財産の内容をもとに判定します。
そのため、贈与後に出国しても、贈与時点で課税対象に入っていれば申告が必要になることがあります。
贈与後の家賃収入は、原則として贈与後の所有者に帰属します。
名義変更の時期、管理契約、賃料の受取口座がずれていると説明が難しくなるため、移転の時期をそろえてください。
贈与で取得した不動産を後で売却する場合、取得費は原則として贈与者の取得費を引き継ぎます。
保有期間も、贈与者が取得した時期を引き継ぎます。
取得費が低いままだと、売却時の譲渡所得が大きくなりやすいため、贈与税だけでなく将来の売却時の税負担も確認してください。
ドバイにある不動産の承継では、贈与と相続で課税の時点、評価額の基準、手続きの流れが変わります。
現地で贈与税が課されなくても、日本では贈与税の対象に入ることがあるため、ドバイ側の名義変更だけで判断しないことが大切です。
税負担、為替、承継後の管理体制まで含めて比べ、どの方法で移すかを早めに決めておきましょう。
日本側の申告期限、現地手続きの分担、家賃収入の管理先まで決めやすくなります。
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