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ドバイへの移住だけで節税できるとは限らない?居住実態と税務判定の考え方

ドバイへの移住だけで節税できるとは限らない?居住実態と税務判定の考え方

ドバイへ移住しても、それだけで日本の税務上の扱いが変わるとは限りません。

日本では、住民票や滞在日数だけでなく、生活の本拠がどこにあるかをもとに居住者か非居住者かを判断します。

UAEのビザや居住者証明を取得していても、日本側で課税が残るケースはあります。

本記事では、

  • ドバイ移住だけで節税できるとは限らない理由
  • 日本の非居住者判定で確認されるポイント
  • 移住前に押さえたい税務上の注意点

を解説します。

ドバイ移住だけでは税務上の扱いは変わらない

ドバイへ移住しても、それだけで日本の税務上の扱いが切り替わるとは限りません。

ここでは、移住と税務判定を同じ意味で捉えないための基本を解説します。

住んでいるだけでは非居住者とは扱われない

ドバイで暮らし始めても、その事実だけで日本の非居住者になるわけではありません。

日本では、国内に「住所」があるか、または現在まで引き続いて1年以上「居所」があるかで居住者かどうかをみます。

この「住所」は住民票の置き場所ではなく、各人の生活の本拠を指すものです。

海外での生活が始まっていても、日本側で生活の本拠が残っていると判断されれば、日本の居住者として扱われる可能性が高くなります。

ビザの取得と税務判定は別に扱われる

UAEの居住ビザやゴールデンビザは、UAEで滞在するための資格です。

長期滞在を認める制度であって、日本の税務上の居住者・非居住者を直接決める制度ではありません。

たとえば、ゴールデンビザはUAEで生活、就労、就学を可能にする長期滞在ビザとして案内されていますが、日本側では別に居住実態を確認します。

ビザを取得しただけで節税が完成すると考えると、税務判定の前提を見落としやすいでしょう。

UAEに拠点を置いても日本の判定は別に行う

UAEに住居や銀行口座を持っていても、日本側では独立して居住者判定が行われます

UAEでは、税務居住者証明の申請で183日基準90日基準恒久的住居個人的・経済的利益の中心などが確認されます。

しかし、その条件を満たしたからといって、日本で自動的に非居住者になるわけではありません。

日本では生活の本拠を客観的な事実でみるため、UAEに拠点を置いた事実と、日本で課税が残るかどうかは分けて確認してください。

日本の非居住者判定は生活の本拠で決まる

日本では、居住者か非居住者かを生活の本拠で判断します。

住民票の有無や滞在日数だけで決まるわけではありません。

ここでは、日本側の判定軸を解説します。

生活の本拠は住所だけで決まらない

日本の税務でいう「住所」は、住民票を置いた場所ではなく、各人の生活の本拠を指します

海外へ転居していても、日本に生活の本拠が残っているとみられれば、日本の居住者として扱われます

形式的に住所を移したかどうかより、実際にどこを生活の中心にしているかが重要です。

生活の本拠を判断する客観的な事実

生活の本拠は、本人の意思だけでは決まりません。

外から確認できる事情をもとに判断されます

主な材料は次のとおりです。

  • 住居:日本にいつでも使える住まいがあるか
  • 職業:日本での勤務や役員就任、事業への関与が続いていないか
  • 資産:主要な資産や生活基盤が日本に残っていないか
  • 親族:配偶者や子どもが日本で暮らしていないか

これらの事情は、それぞれを切り離して見るのではなく、全体をあわせて判断材料になります

ドバイに住むつもりでいても、日本に生活基盤が集まっていれば、日本に生活の本拠があると判断されることがあります。

家族や住居の所在が判定に影響する

家族と住居の状況は、生活の本拠を判断する際に大きく影響します。

配偶者や子どもが日本で生活し、自分だけドバイに滞在している場合は、生活の中心が日本にあると判断されやすくなります

日本の自宅を、自由に使える状態で残している場合も同様です。

家族の所在と住居の状況は、移住前に確認しておきたい重要なポイントです。

日本に残る資産や事業も判断材料になる

日本での事業活動や収入が続いている場合も、日本との結びつきは弱くなりません。

日本法人の経営を続けている」「日本で役員報酬を受け取っている」「日本発の収入が生活の中心になっている」といった状況では、経済活動の重心が日本にあるとみられることがあります。

移住の検討では、住居や家族だけでなく、資産と事業の置き方まで含めて見直すことが必要です。

滞在日数だけでは判定できない理由

海外に一定期間滞在すれば、日本の税務上も非居住者になると考えられがちです。

ただし、日本では滞在日数だけで居住区分を決める仕組みではありません。

ここでは、日数基準だけでは足りない理由を解説します。

日数は判定要素のひとつに過ぎない

海外での滞在日数は、居住実態を判断する材料のひとつにすぎません。

183日以上ドバイに滞在していても、日本に生活の本拠があると判断されれば、日本の居住者として扱われる余地があります。

滞在日数だけで判断が完結するわけではなく、住居や家族、資産の状況とあわせて確認する必要があるでしょう。

日本とUAEで日数の意味が異なる

同じ「滞在日数」でも、日本とUAEでは役割が異なります。

どちらの制度で何を確認しているのかを分けて把握すると、判定の流れを理解しやすくなるでしょう。

項目日本UAE
主な見方生活の本拠滞在日数や住居の有無
日数の位置づけ判断材料のひとつ要件として使われる
判定の中心居住実態税務居住者要件

UAEでは滞在日数が要件として使われる一方、日本では生活の本拠がどこにあるかを中心に判断します。

183日という数字だけで判断すると、この違いを見落としやすくなります。制度ごとの役割を分けて確認してください。

短期帰国の回数や滞在先にも注意が必要

海外での滞在日数が長くても、日本への帰国頻度や滞在先の状況によっては、日本との結びつきが強いとみられます

たとえば、短期間でも繰り返し帰国している場合や、帰国時に自宅で生活している場合は、生活の本拠の判断に影響する可能性があります。

滞在日数だけでなく、日本でどのように過ごしているかも含めて確認してください。

UAEの税務居住者判定とは別に考える

UAEで税務上の居住者に当たる条件と、日本で非居住者に当たる条件は同じではありません。

どちらか一方を満たせば足りるわけではなく、それぞれ別に確認する必要があります。

ここでは、両者の違いを解説します。

UAEでは183日または90日基準が使われる

UAEでは、税務上の居住者を判定する際に、滞在日数が重要な条件として使われます

代表的には、一定期間以上の滞在や、住居の確保就労や事業への関与といった要素が組み合わされて判断されます。

日数と生活基盤の両方が確認される点が特徴です。

制度の詳細は条件ごとに分かれますが、ここでは概要を押さえておけば十分でしょう。

UAEの居住者証明だけでは日本判定は変わらない

UAEで取得できる居住者証明(TRC)は、UAE側で税務上の居住者であることを示すための書類です。

ただし、この証明を取得しただけで、日本の非居住者として扱われるわけではありません

日本ではあくまで生活の本拠をもとに判定するため、TRCは判断材料のひとつとして扱われます。

日本側の判定を単独で切り替えるものではない点に注意してください。

租税条約は補助的な位置づけになる

租税条約」は、日本とUAEの両方で居住者と扱われる可能性がある場合に使う補助的なルールです。

最初から条約だけで結論を出すのではなく、まずは日本の国内法に基づいて居住者かどうかを確認します。

そのうえで、両国で居住者と扱われる場合は、租税条約に沿ってどちらの国を優先するかを判断します。

一般的には、恒久的住居、個人的・経済的関係の中心といった基準を順に確認していく流れです。

条約だけで判断を進めるのではなく、国内法の判定と分けて考える必要があります。

ドバイへ移住していても、日本での課税が残るケースには一定の傾向があります。

ここでは、生活の本拠が日本にあると判断されやすい代表的な状態を紹介します。

移住前に確認したい税務上のポイント

ドバイ移住を進める前に、日本側でどのような事情が判定材料になるのかを確認しておく必要があります。

ここでは、出国前に押さえておきたいポイントを紹介します。

非居住者判定の前提を確認する

な事情をまとめて確認し、日本に生活の本拠が残る要素がないかを見直す必要があります。

  • 住居:日本の自宅を自由に使える状態で残していないか
  • 家族:配偶者や子どもが日本で生活していないか
  • 資産:主要な資産が日本に集中していないか
  • 収入:生活費の中心になる収入が日本から出ていないか
  • 事業:日本での経営や役員業務が続いていないか

日本での居住者判定とは別に、1億円以上の有価証券等を持つ人は国外転出時課税の確認も必要です。

この制度は出国時点で含み益に課税されるため、移住後に対応することは難しくなります。

対象になる可能性がある場合は、出国前の段階で確認してください。

日本とUAEの判定基準を分けて確認する

日本では生活の本拠、UAEでは滞在日数や住居の有無などが中心になります。

どちらも「移住」に関係する制度ですが、確認する基準は同じではありません。

日本側の判定が曖昧なままUAEの要件だけを満たしても、期待した節税効果につながらないことがあります。

判定基準は最初から分けて確認した方がよいでしょう。

専門家に相談する範囲を分ける

移住前の確認では、日本側とUAE側で相談先を分ける必要があります。

日本側では、非居住者判定や出国時の税務を税理士に確認し、UAE側では、税務居住者証明や必要書類を現地制度に詳しい専門家へ相談する形が基本です。

どちらか一方だけでは判断が片寄りやすいため、役割を分けて進めてください。

ドバイ移住と税務判定についてよくある質問

ここでは、ドバイの移住と税金についてよくある質問を紹介します。

Q1. 日本とUAEの両方で居住者と扱われることはありますか?

日本とUAEの判定基準は異なるため、両国で居住者と扱われる可能性はあります。

日本では生活の本拠、UAEでは滞在日数や住居の有無などをもとに判断するためです。

その場合は、租税条約も含めて確認が必要になります。

Q2. 日本の口座やクレジットカードは残しても問題ありませんか?

日本の口座やクレジットカードを保有しているだけで、税務上の扱いが直ちに決まるわけではありません。

ただし、日本での生活拠点が残っていると判断される材料のひとつになるかもしれません

利用状況も含めて確認した方がよいでしょう。

Q3. 日本の会社の役員を続けたままでも非居住者になれますか?

日本の会社の役員を続けていても、直ちに日本の居住者と決まるわけではありません。

ただし、日本で役員としての職務を続け、報酬も日本から受け取っている場合は、日本での活動が継続していると判断されやすくなります

役員に就いている事実だけでなく、実際にどこで業務を行い、どこを生活と仕事の中心にしているかまで確認が必要です。

Q4. 日本の住民税はいつまでかかりますか?

日本の住民税は、その年の1月1日時点で日本の市区町村に住所がある人に課されます

出国の時期によっては、その年の住民税が発生するため、所得税の判定とは分けて確認してください。

【まとめ】税務判定を踏まえて移住計画を立てる

ドバイへ移住しても、それだけで日本の税務上の扱いが切り替わるとは限りません。

日本では生活の本拠をもとに居住者かどうかを判断するため、住民票や滞在日数、ビザの有無だけで結論が出るわけではないからです。

UAEで税務居住者として扱われる条件を満たしていても、日本側では別に判定が行われます。家族や住居、資産や事業の所在が日本に残っている場合、日本課税が続く可能性もあります。

移住の計画では、日本とUAEの制度を分けて確認し、それぞれの判定基準に沿って準備を進めることが重要です。

移住後に判断が分かれる状況を避けるためにも、出国前の段階で税務上の前提を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。