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ドバイ法人は維持費がどれくらいかかる?法人設立後に必要な対応を解説

ドバイ法人は維持費がどれくらいかかる?法人設立後に必要な対応を解説

ドバイ法人は、設立して終わりではなく、法人税登録や会計記帳、ライセンス更新などの対応が毎年続きます。

維持費を見込まずに設立すると、運営後に想定外のコストが発生するため注意が必要です。

  • ドバイ法人の設立後に必要な対応
  • 法人税・VAT・UBO登録で確認すべき点
  • 会計記帳・監査・ライセンス更新の流れ
  • フリーゾーン法人と本土法人の年間維持費
  • 日本居住者が追加で確認したい税務負担

本記事では、ドバイ法人の維持費がどれくらいかかるのか、法人設立後に必要な対応とあわせて解説します。

ドバイ法人は設立後も維持管理が続く

ドバイ法人は、設立後も税務・会計・ライセンス更新などの対応が毎年発生します。

ここでは、法人設立後に必要になる主な維持管理を解説します。

法人税登録と申告が必要になる

ドバイ法人は、UAE法人税の対象として登録と申告が必要です。

事業活動が少ない法人や、売上が発生していない法人でも、登録期限や申告義務を確認しなければなりません。

UAE法人税では、課税所得が一定額を超える場合に9%の税率が適用されます。

フリーゾーン法人でも、条件を満たさなければ0%税率を維持できないため、設立先だけで税務負担を判断するのは危険です。

法人税で確認する主な項目は以下のとおりです。

  • FTAへの法人税登録
  • 会計年度ごとの申告期限
  • 課税所得の計算
  • Small Business Reliefの適用可否
  • QFZPの要件確認

登録や申告を後回しにすると、遅延罰則が発生します。

法人を維持するなら、設立直後から税務スケジュールを管理してください。

会計記帳と証憑保存が必要になる

法人税申告を行うには、日々の取引を記録し、請求書や銀行明細などの証憑(しょうひょう)を保存する必要があります。

ドバイ法人では、売上や経費の動きが少なくても、帳簿を残さなければ申告時に数字を説明できません。

特に、不動産保有法人では、家賃収入管理費修繕費送金手数料会計費用などを継続的に記録します。

個人口座と法人口座の資金移動が混ざると、後から説明しにくくなるため注意してください。

会計管理では、以下の資料を残します。

  • 請求書
  • 領収書
  • 銀行明細
  • 賃貸契約書
  • 管理会社との契約書
  • 送金記録

記帳をまとめて年末に行うと、資料不足や処理漏れが起きやすくなります。

月次または四半期ごとに確認する体制を作ると、申告前の負担を抑えられるでしょう。

ライセンス更新と法人情報の管理も続く

ドバイ法人は、設立時に取得したライセンスを毎年更新します。

更新を忘れると、遅延料やライセンス停止につながるため、法人運営の基本対応として管理が必要です。

また、株主取締役住所パスポート情報UBO(実質的支配者)に変更があれば、所管当局へ更新手続きを行います。

情報が古いままだと、銀行のKYC更新や法人税申告にも影響します。

ライセンス更新時に確認する項目は以下のとおりです。

  • トレードライセンスの有効期限
  • オフィス契約やFlexi Deskの更新
  • 株主・取締役情報の変更有無
  • UBO情報の更新
  • ビザ・Emirates IDの期限

法人設立後の維持管理は、税務だけでは完結しません。

ライセンス、会計、銀行、ビザ情報をまとめて管理することで、更新漏れや追加確認を防ぎやすくなります。

ドバイ法人の維持費を構成する主な費用

ドバイ法人の維持費は、ライセンス更新料だけではありません。

ここでは、法人設立後に毎年発生しやすい費用を解説します。

ライセンス更新料は毎年発生する

ドバイ法人を維持するには、トレードライセンスを毎年更新します。

フリーゾーン法人は、各フリーゾーン当局本土法人はDET(ドバイ経済観光省)が更新手続きを管轄します。

更新費用は法人形態やライセンス内容によって変わりますが、フリーゾーン法人で年AED 12,000〜30,000、本土法人で年AED 15,000〜25,000程度が目安です。

法人形態更新先更新費用の目安
フリーゾーン法人各フリーゾーン当局AED 12,000〜30,000
本土法人DETAED 15,000〜25,000

更新を忘れると、遅延料やライセンス停止につながります。

更新月だけでなく、必要書類の準備期間も含めて管理してください。

オフィスやFlexi Deskの費用も必要になる

法人ライセンスを維持するには、登録住所やオフィス契約も必要です。

フリーゾーン法人ではFlexi Desk、本土法人ではEjari登録済みのオフィス契約を求められるのが一般的です。

費用の目安は以下のとおりです。

形態費用の目安特徴
Flexi Desk年AED 5,000〜15,000フリーゾーン法人で使われる簡易的な登録住所
シェアオフィス・専用デスク年AED 15,000〜40,000郵便受け取りや会議室利用に対応しやすい
実オフィス年AED 50,000以上本土法人や実体性を重視する法人で使われる

オフィス費用は、法人税や銀行審査にも関係します。

特に、QFZPの適用や法人口座開設を考える場合は、費用の安さだけでなく、実体性を説明できる契約かどうかを確認しましょう。

会計・税務申告の外部費用がかかる

法人税申告や会計記帳を、外部へ依頼する場合、毎年の専門家費用が発生します。

取引数が少ない法人でも、法人税申告記帳VAT対応監査対応を含めると一定の固定費がかかります。

主な費用は以下のとおりです。

項目費用の目安内容
記帳代行月AED 1,500〜5,000売上・経費・銀行明細の記録
法人税申告年AED 8,000〜20,000FTAへの申告書作成・提出
外部監査年AED 15,000〜25,000QFZPや一部フリーゾーンで必要
VAT申告四半期ごとに発生VAT登録法人の申告・納付対応

「売上が少ないから費用もほぼかからない」とは限りません。

申告義務や帳簿保存は売上規模に関係なく発生するため、設立前に年間の専門家費用まで見積もってください

法人税・VAT・UBOで確認したい実務対応

ドバイ法人では、税務とコンプライアンス対応が並行して続きます。

ここでは、法人設立後に確認したい主要な実務対応を解説します。

法人税登録を放置すると罰則が発生する

UAE法人税では、対象法人にFTA(連邦税務当局)への登録義務があります。

事業活動が少ない法人や休眠状態の法人でも、登録期限を過ぎると遅延罰則が発生します。

特に、注意したいのは、「売上がない=登録不要」ではない点です。

法人を保有している以上、登録対象になるかを確認しなければなりません。

法人税で管理したい項目は以下のとおりです。

  • FTAへの登録期限
  • 会計年度と申告期限
  • Small Business Reliefの適用可否
  • QFZPの要件維持
  • 関連者取引の有無

また、フリーゾーン法人でも、自動的に0%税率になるわけではありません。

QFZP要件を満たせなければ、通常税率が適用されます。

VATは商業不動産や事業売上で必要になる

VAT(付加価値税)は、課税売上が一定額を超えると登録義務が発生します。

住宅賃貸だけを行う法人ではVAT登録不要となるケースが多い一方、商業不動産、コンサルティング、管理事業などを行う場合は登録対象に近づきます。

VATで確認したい項目は以下のとおりです。

  • 課税売上の年間金額
  • 住宅・商業不動産の区分
  • VAT登録閾値の超過有無
  • 四半期申告スケジュール
  • VAT請求書の発行体制

VAT登録後は、四半期ごとの申告と納付が続きます。

申告遅延には罰則があるため、売上規模が拡大する前に体制を整えてください。

UBO・KYC更新は銀行対応にも影響する

ドバイ法人では、UBO(Ultimate Beneficial Owner/実質的支配者)情報を管理します。

株主構成や支配関係に変更があった場合は、所管当局への更新が必要です。

また、銀行側でもKYC更新を定期的に行います。

法人情報が古いままだと、送金制限や追加確認につながります。

更新対象になりやすい情報は、以下のとおりです。

  • パスポート更新
  • 住所変更
  • 株主構成変更
  • UBO変更
  • 事業内容変更

法人設立後は、「設立時に提出した情報」がずっと有効なわけではありません。

ライセンス税務銀行の情報をそろえて更新してください。

実体性が弱い法人は追加確認を受けやすい

UAEでは、法人税導入後に実体性(Substance)の確認が強化されています。

特に、QFZP適用を受ける法人では、UAE国内で実際に事業活動を行っているかが重要になります。

銀行や税務当局が確認する主な内容は以下のとおりです。

  • UAE国内のオフィス契約
  • 従業員や役員の活動状況
  • UAE国内で発生する支出
  • 実際の取引内容
  • 事業活動に関する契約書

Flexi Deskだけで法人を維持できるケースもありますが、税務メリットや銀行対応を重視する場合は、専用デスクや実オフィスが必要です。

設立コストだけでなく、実体維持まで含めて検討しましょう。

フリーゾーン法人と本土法人で変わる年間維持費

ドバイ法人の維持費は、設立先によって大きく変わります。

ここでは、フリーゾーン法人と本土法人の維持費の違いを解説します。

フリーゾーン法人は固定費を抑えやすい

フリーゾーン法人は、Flexi Deskを利用できる設立先が多く、オフィス固定費を抑えられるでしょう。

不動産保有やホールディング目的では、フリーゾーン法人を使うケースが多く見られます。

一般的な年間維持費の目安は以下のとおりです。

項目年間費用の目安
ライセンス更新AED 15,000前後
Flexi DeskAED 5,000〜15,000
投資家ビザ(年割)AED 2,500前後
健康保険AED 3,000前後
記帳・税務申告AED 30,000前後

合計では、年AED 60,000〜80,000程度が1つの目安になります。

ただし、QFZP適用を受ける場合や、監査義務のあるフリーゾーンでは、監査費用が追加されます。

また、銀行口座開設で追加オフィス契約を求められるケースもあるため、「最安プラン」で維持できるとは限りません。

【関連記事】フリーゾーン法人と本土法人は何が違う?ドバイの不動産の保有スキーム

本土法人はオフィス費用が大きくなりやすい

本土法人(メインランド法人)は、UAE国内で自由に事業活動を行いやすい一方、実オフィス契約が前提になるケースが多いです。

特に、本土法人ではEjari(賃貸登録)付きオフィス契約が必要になるため、固定費が上がります。

年間維持費の目安は以下のとおりです。

項目年間費用の目安
ライセンス更新AED 18,000前後
実オフィスAED 50,000〜60,000以上
Ejari更新AED 1,500前後
投資家ビザ(年割)AED 2,500前後
記帳・税務申告AED 40,000前後

本土法人では、年AED 120,000以上になるケースも珍しくありません。

その代わり、銀行口座開設、現地事業、従業員雇用では、本土法人の方が説明を進めやすいです。

固定費の差だけでなく、事業内容との相性も含めて判断してください。

日本居住者はUAE外の費用も発生する

日本居住者としてドバイ法人を運営する場合、UAE側以外のコストも発生します。

追加で発生しやすい費用は以下のとおりです。

  • UAE渡航費
  • 日本側の税理士費用
  • 国際送金手数料
  • 翻訳・公証費用
  • 日本側税務の資料作成費用

特に、日本側では外国子会社合算税制(CFC税制)の確認が必要です。

UAE法人税が9%になった現在は、「ドバイ法人=完全無税」と単純には扱えません。

また、日本側の税理士とUAE側の会計事務所を別々に使うケースも多く、両国で専門家費用が発生します。

法人維持費を考える際は、UAE側コストだけで判断しないよう注意してください。

【関連記事】非居住者でもドバイ法人は作れる?リモート設立と口座開設の注意点

ドバイ法人の維持管理に関するよくある質問

ここでは、ドバイ法人の維持管理に関する、よくある質問をまとめました。

Q1. 休眠状態にすると維持費はどこまで下げられますか?

事業活動を止めても、ライセンス更新オフィス契約法人税対応などの固定費は残ります。

ただし、従業員を置かない、実オフィスをFlexi Deskへ変更する、監査不要のフリーゾーンへ設立するなどで、一定の固定費を抑えられる場合があります。

完全に費用を止めたい場合は、休眠ではなく清算手続きを検討してください。

Q2. フリーゾーンを変更すると維持費は下がりますか?

設立先を変更すると、ライセンス費用やオフィス費用を下げられるケースがあります。

一方で、法人移転では新規設立に近い手続きが必要にです。

また、銀行口座、法人税登録、既存契約の変更対応も発生するため、単純に「安いフリーゾーンへ移せば得」とは限りません。

現在の銀行運用や税務対応への影響も含めて確認しましょう。

Q3. 日本側で経費計上できるものはありますか?

日本側で法人や個人事業を持っている場合、内容によっては一部費用を経費処理できるケースがあります。

たとえば、渡航費、税理士費用、翻訳費用、法人維持関連費用などが検討対象になります。

ただし、日本側でどの所得に対応する費用かを説明できなければ、経費として認められません。

UAE法人だけでなく、日本側の申告区分も含めて税理士へ確認してください。

【関連記事】日本居住者がドバイの不動産投資で外せない日本側課税!購入から売却までの税務ポイント

Q4. 法人を閉じるときはどのような手続きが必要ですか?

ドバイ法人を閉じる場合は、ライセンス失効を待つのではなく、正式な清算(Liquidation)手続きを行います

清算では、債務整理、銀行口座閉鎖、税務対応、ビザキャンセル、ライセンス取消などを順番に進めます。

フリーゾーンや本土法人によって必要書類や流れが異なるため、設立先のルール確認が必要です。

未処理の税務や口座が残っていると、清算が完了しないケースもあります。

まとめ|ドバイ法人は設立後の維持費まで確認する

ドバイ法人は、設立後も法人税登録、会計記帳、ライセンス更新、UBO管理などの対応が続きます。

設立費用だけで判断すると、運営後の維持費が想定より重くなりかねません。

フリーゾーン法人は固定費を抑えやすい一方、監査や銀行対応で追加費用が発生する場合があります。

本土法人はオフィス費用が大きくなるため、事業内容との相性まで確認が必要です。

法人を維持するなら、UAE側の費用だけでなく、日本側の税務対応や専門家費用も含めて試算してください。

設立前に年間コストを把握しておくと、法人保有を続けるべきか、個人保有が合うかを比較しやすくなるでしょう。