「ドバイへの移住を考えて候補のエリアを調べたら、『危険エリア』の記事にその地名があった」
「ドバイは安全と聞くけど、住むなら避けたほうがいい地域もあるのかな」
安全な街と聞いていても、地区の名前つきの『危険エリア』を見かけると、急に不安になりますよね。住む場所や物件を考えている方なら、なおさら気になるはずです。
結論からお伝えすると、外務省や在ドバイ日本国総領事館が『治安が悪い』と名指ししている地域はありません。見分けるのは地区の名前ではなく夜の人通りで、住む場所は夜の帰り道と建物の周りで自分で確かめられます。
ただし外務省は2026年9月時点で、ドバイを含むアラブ首長国連邦の全土に危険情報レベル2(不要不急の渡航は止めてください)を出しています。街中の犯罪とは別の理由ですが、渡航そのものを控えるよう求める段階です。
本記事では地区の格付けはしません。外務省と総領事館の資料をもとに、名前が挙がる地区がどんな場所なのかと、住む前に夜の帰り道で確かめる方法をお伝えします。
この記事でわかること
- ドバイに外務省や総領事館が名指しする『治安の悪い地域』はあるのか
- ネットで名前が挙がる場所と、住む場所を見るときの違い
- 住むエリアと建物の安全を、地区の評判ではなく何で確かめればいいか
※本記事の情報は2026年9月時点のものです。
ドバイで治安が悪いと外務省が名指しする地域はない
ドバイで治安が悪い地域を公的な情報で確かめようとしても、地区の名前は出てきません。外務省も在ドバイ日本国総領事館も、注意する場所を地区ではなく場所の種類で伝えているからです。
つまり、ドバイで気をつけるのは地区の名前ではなく、人が多すぎる場所と夜に人が途切れる道の2つです。混雑ではスリに、夜道では帰り方に注意するのが、ドバイで気をつけたい基本です。
ここでは外務省と総領事館の伝え方と、危険情報のレベルについて解説していきます。
外務省と総領事館は場所の種類で注意している
外務省の安全対策基礎データでは、ドバイを含むアラブ首長国連邦の犯罪について、次のように書かれています。
観光客が多く訪れる場所ではスリが多発しているほか、薬物の密輸事案の摘発、薬物の所持・使用に関する摘発例も発生しています。
引用元:外務省 海外安全ホームページ『アラブ首長国連邦 安全対策基礎データ』(2024年4月2日更新)
注意の対象は『観光客が多く訪れる場所』で、地区の名前はありません。人が集まる場所ではスリが起きやすいという、どの国の旅でも通じる注意です。
総領事館が在留邦人向けに出している『安全の手引き』も同じです。スリやひったくり、SNSを使った詐欺への注意は呼びかけていますが、地区の名前は挙げていません。
候補の地区が『危険エリア』の記事に載っていても、記事に載っていることだけを理由に、候補から外す必要はありません。確かめたいのは、地区の夜の人通りです。
危険情報レベル2は全土一律で地域の差はない
外務省は2026年6月25日から、アラブ首長国連邦の全土に危険情報レベル2を出しています。ドバイの中で地区による差はなく、旧市街もダウンタウンも同じレベル2です。
レベル2の理由は米国とイランの間の戦闘をめぐる中東の情勢で、街中の犯罪が多いからではありません。ただし『不要不急の渡航は止めてください』という段階なので、下見や移住で渡航するかどうかは、外務省の最新の情報で判断してください。
ドバイの治安の全体像と、情勢や指標の移り変わりは、次の2つの記事で確かめられます。
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では、地区の名前の代わりに、どこを見ればいいのでしょうか。見るポイントを1枚にまとめました。

ドバイで治安が悪いと名前が挙がるのは人が集まる場所
旅行サイトやネットの記事で治安が悪い場所として名前が挙がるのは、主に次のような場所です。
- 旧市街のデイラやバール・ドバイ
- 金や香辛料を売る市場(スーク)
- ドバイモールのような大型モール
旧市街は、入り江のドバイ・クリークを挟んで広がる、ドバイ発祥の地とされる歴史地区です。昼は市場やクリーク沿いを歩く観光客で、大型モールは買い物客で混み合います。
名前が挙がる場所に共通するのは、人が多く集まりスリに遭いやすいことです。旧市街には路地が入り組んだところもあるので、気をつけたいのは昼の混雑と夜の路地の奥です。
なお、名前が挙がることは、挙がった地区が危ないという意味ではありません。
観光でよく訪れるエリアの位置関係は、次の図のとおりです。治安の評価ではなく、場所の位置を示した図です。

ここでは名前が挙がる場所で気をつけることと、住む場所として見るときの違いについて解説していきます。
名前が挙がる場所で気をつけるのは人混みのスリ
市場の細い通路や大型モールの人気の見どころでは、人の波で肩や荷物がぶつかり合います。混雑の中では、荷物から手と目を離さないことが基本です。
市場では、店先から声をかけられることもあります。買う気がなければ、会釈して通り過ぎて構いません。
どちらも人が集まる場所ならではの注意で、名前が挙がった地区に住む危なさとは別の話です。市場での値段の確かめ方など場所ごとの注意は、ドバイの治安ランキングの記事で紹介しています。
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住む候補なら観光の通りと家までの道を分けて見る
旧市街に住むことを考えるなら、観光で歩く通りと、毎日帰る道は分けて見てください。観光客でにぎわう通りのすぐ裏でも、1本入れば人がまばらな路地になることがあるからです。

下見で歩くときは、昼のうちは人の多い通りを中心に回り、奥まった路地に入りすぎないようにしましょう。夜に歩くなら、店の明かりがついて人が行き交う通りを選びます。
シャッターが下りて人が途切れたら、路地の奥へは進まずに大通りへ戻るのが目安です。住む候補として見るなら、観光の通りのにぎわいではなく、家までの道を次の章の方法で確かめましょう。
旧市街の住まいや不動産の特徴は、オールドドバイ(旧市街)の不動産市場の記事で解説しています。
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ドバイの治安が心配なら住む地域は夜の帰り道で選ぶ
ここからは、ドバイへの移住や物件の購入を考え始めた方に向けた話です。住む地域の評判を調べると、同じ地区でも『住みやすい』という声と『気をつけて』という声の両方が見つかります。
評判が分かれる理由のひとつは、同じ地区でも通りによって夜の様子が変わることです。だからこそ評判よりも確かなのは、駅や大通りから家までの夜の帰り道を自分で見ることです。
ここでは夜の帰り道で見ることと、帰り道の確かめ方について解説していきます。
夜の帰り道は人通りと明かりと途中の空き地を見る
昼に内見した物件でも、夜に帰り道を歩くと印象が変わることがあります。ドバイでは車が主な移動手段なので、歩く道に加えて車で帰るときの道も含めて、次の4つを見ておきましょう。
夜の帰り道で見る4つ
- 夜も人通りと明かりがあるか
- 空き地や倉庫が並ぶ道など、夜に人が途切れる場所を通らないか
- 開いている店や人の目がある場所が途中にあるか
- 車で帰るなら、車寄せや駐車場から部屋までの道が明るいか
駅を出て大通りを歩き、あと1本曲がれば家というところで、街灯の少ない空き地沿いの道が続くことがあります。家の前がにぎやかでも、途中に数分の暗い区間があるかどうかで、夜の歩きやすさは大きく変わります。
夜の人通りは曜日でも変わるので、平日の夜と週末の夜の両方を歩けると確かです。貸すために買う場合も、借りる人が毎晩帰る道として同じ4つを見ておきましょう。
下見の夜は大通りから家までの道をたどる
昼の内見で分かるのは、建物と部屋までです。夜の帰り道を知るには、下見の滞在中に暗くなってから、駅や大通りから候補の家まで実際に歩いてみるのがいちばん確かです。
歩くときは路地を避けて大通りを使い、帰りの手段を先に決めておきます。
道に迷ったり人通りのない道に出たりしたら、立ち止まって地図を見続けないことが大切です。大通りや開いている店、ホテルに入ってから車を呼びましょう。

夜の道を自分で歩けるまでは、契約を急がないことが大切です。どうしても現地に行けないときは、撮る時間と歩く道を自分で指定して、録画ではなくリアルタイムのビデオ通話で見せてもらう方法もあります。
ビデオ通話では、通行人を映さないよう頼んでおきましょう。外務省によると、UAEでは相手の承諾を得ない写真や動画の撮影が犯罪として定められています。
物件の売買に利害のない在住の知人などの話とも照らし合わせると、判断はより確かになります。
エリアごとの住み心地や不動産の特徴は、ダウンタウンとマリーナとJVCを比べた記事で解説しています。女性が夜に一人で帰るときの動き方は、ドバイの治安と女性の記事が参考になります。
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ドバイの治安が気になるなら住む建物は周りまで見る
住む建物を選ぶときは、部屋の中だけでなく建物の周りまで見ておきましょう。在ドバイ日本国総領事館も、住まいは物件を選ぶ段階から安全対策を最優先に考えるよう呼びかけています。
ここでは建物の周りと戸建てで見ることについて解説していきます。
集合住宅は周りの死角と鍵の交換を確かめる
マンションなどの集合住宅は、エントランスの警備がしっかりしていても、建物の裏手や駐車場の周りまでは目が届きにくいことがあります。内見のときは建物の周りも一周して、総領事館が挙げる項目から次の4つを見ておきましょう。
集合住宅で見ておきたい4つ
- 周りに落書きや違法駐車が多くないか
- 人が身を潜められる場所や死角がないか
- 照明が切れたまま放置されていないか
- 入居のときに鍵を新しくできるか
鍵は、前に住んでいた人などが合鍵を持っていないとも限りません。契約の前に、鍵を新しくできるかを管理会社や貸主に確認しておきましょう。
受付や警備員、カードキーによる出入りの管理など、建物の中で見る点はドバイの治安ランキングの記事にまとめています。
戸建ては警察署までの距離と塀の高さを見る
戸建てやヴィラは、敷地が広いぶん外まわりの守りが大切になります。外務省によると、高級住宅地では戸建てを狙った強盗殺人事件なども報じられています。
総領事館は、戸建てで確かめたい点として次の4つを挙げています。
戸建てで見ておきたい4つ
- 近くに警察署や消防署があるか
- 通報するときの目印になる建物が近くにあるか
- 塀や柵、門の高さと強さは十分か
- 2階への足がかりになる木や構造物がないか
ドバイは住所の表記があいまいで、通報のときに場所を伝えにくいことがあります。近くに目印になる建物があれば、いざというときに警察へ場所を伝えやすくなります。
物件を買うなら、建物と周りに加えて、取引相手がドバイ土地局に登録された仲介会社かも確かめておきましょう。ドバイ土地局は、不動産の登記や取引を担うドバイ政府の機関です。
登録された仲介会社は、ウェブサイトやアプリのDubai RESTで調べられます。ドバイ以外の首長国の物件は、管轄する機関が異なるので注意してください。
詐欺や金銭トラブルへの備えは、ドバイ不動産の詐欺と金銭トラブルを解説した記事にまとめています。
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ドバイ不動産の詐欺と金銭トラブル|DLD公式サイトで自分で確認する手順
夜の帰り道や建物の確かめ方に加えて、費用や手続きなど治安以外も知りたくなったら、無料ガイドでドバイ不動産の全体像をまとめて確認できます。
ドバイの治安が悪い地域についてよくある質問
ドバイで住むなら避けたほうがいい地域はありますか?
外務省と在ドバイ日本国総領事館は、住むのを避けるべき地区を名指ししていません。評判は人によって違うので、地区の名前だけでは決められないのです。 住む場所は、家までの夜の帰り道と、建物の周りを自分の目で見て選びましょう。
旧市街のデイラやバール・ドバイに下見で泊まるときは何を見ればいいですか?
地区の名前だけでは、大丈夫かどうかは決められません。ホテルは入口が大通りに面しているかと、駅までの道が夜も人通りのある道かで選ぶと、夜に戻りやすくなります。
ドバイの危険情報のレベルは地域によって違いますか?
2026年9月時点で、外務省はアラブ首長国連邦の全土に危険情報レベル2を出しており、地域による差はありません。 レベル2は中東の情勢を理由にしたもので、街中の犯罪を理由にしたものではありません。渡航の前には最新の情報を確かめてください。
ネットで見る『危険エリア』の情報は信じていいですか?
外務省と総領事館の資料は、治安が悪い地区を名前で挙げていません。注意しているのは、観光客が多く訪れる場所のような場所の種類です。 地区の名前よりも、行き先が人混みなのか、夜に人通りが減るのかで判断すると迷いにくくなります。
治安の悪い地域の物件を買ってしまうことはありますか?
地区の名前だけでは判断できません。夜の帰り道と建物の周りを自分で確かめ、取引相手がドバイ土地局に登録された仲介会社かも確かめましょう。
ドバイに住んでから、治安の最新情報はどこで受け取れますか?
海外に住所か一時滞在先を定めて3か月以上滞在する日本人は、旅券法で在留届の提出が義務づけられています。在留届を出すと、事件や事故、安全に関する情報が大使館や総領事館からメールで届きます。 3か月未満の下見なら、外務省の『たびレジ』に登録すると安全情報を受け取れます。困ったときの連絡先は、ドバイの治安をまとめた記事で紹介しています。
まとめ
ドバイで治安が悪いと名前が挙がる地区はあっても、外務省や在ドバイ日本国総領事館が名指ししている地域はありません。名前が挙がるのは人が集まる場所で、気をつけるのは混雑の中のスリと、夜に人が途切れる道です。
住む場所を考えるなら、地区の評判より、夜の帰り道と建物の周りを自分の目で確かめましょう。住み始めてからは在留届を出しておくと、最新の安全情報がメールで届きます。
渡航の前には、外務省の最新の危険情報を必ず確かめてください。住むことや物件を持つことまで考え始めたら、無料の『ドバイ不動産投資ガイド』で全体像から確かめてみませんか。
本記事は一般的な情報提供です。個別の渡航や移住、投資の判断は、最新の公式情報と専門家にご相談ください。
