「ドバイの不動産に、数万円から投資できるってほんと?」
「仮想通貨で買う不動産、ということ?」
「小口なら、日本の不動産クラウドファンディングと同じ感覚で始められるのでは?」
2026年9月現在、こうした声を耳にする機会が増えています。
結論から言うと、これはドバイ土地局(DLD:不動産登記を管轄する政府機関)が2025年から進めている仕組みです。1つの物件の持分が登記簿に記録される小口投資を指します。
暗号資産で売買する商品ではなく、支払いはディルハム建てで行われます。ただし2026年9月時点では、日本に住んだまま購入することはできません。
この記事では、仕組みと費用、日本在住者が買えるかどうか、買い方と売り方、始める前の注意点を公式情報で整理します。トークン化という考え方そのものは、次の記事で詳しく解説しています。
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なお、この仕組みはいまも段階的に広がっている途中です。本記事は2026年9月時点の公式情報にもとづいています。対象者の拡大など新しい発表があった場合は、その都度この記事に追記します。
この記事でわかること
- ドバイ不動産トークンで、実際に何を持つことになるのか
- いくらから始められ、どんな費用がかかるのか
- 日本に住んだまま買えるのか、2026年9月時点の答え
- 買い方・売り方と、始める前に知っておきたい注意点
ドバイ不動産トークンとは?登記簿に持分が載る小口投資
ドバイ不動産トークンは、ドバイ土地局(DLD:不動産登記を管轄する政府機関)が2025年から進めている仕組みです。1つの物件を複数の投資家で分けて持ち、その持分が登記簿に記録されます。
まずは『何を持ち、何は持てないのか』という土台を、順番に押さえていきます。
1つの物件を小口に分けて、複数の投資家で持つ
ドバイ不動産トークンは、1つの物件を複数の投資家で分けて持つ仕組みです。ドバイ土地局(DLD)はこの狙いを、1つの物件を複数人で共同保有できるようにすることだと説明しています。
まとまった資金がなければ手が届かなかった高級物件も、予算に合わせて持分を買う形にすれば、投資の入口を下げられます。1棟をまるごと買うのではなく、必要な分だけ持つという発想です。
持分はドバイ土地局の登記簿に記録される
この仕組みの核は、持分がドバイ土地局(DLD)の登記簿に記録される点です。
ドバイ土地局が認めた窓口の事業者(PRYPCO Mint)は、開示文書でこう説明しています。投資家の持分はDLDの登記簿に記録され、その登記簿が権利関係を示す一次的な法的記録になる、というものです。
ただし、投資家ごとに個別の権利証が出るわけではありません。物件の権利証には『トークン保有者』として記録されます。所有を証明する書類は、DLDの公式アプリ(Dubai REST)で取得します。
DLDはこの仕組みを、クラウドファンディングとは違う、より構造化された仕組みだと説明しています。
住む権利はなく、受け取れるのは家賃収入と議決権
持てるのは、物件の持分と、そこから生まれる家賃収入・議決権です。運営元のヘルプは『トークンは物理的な使用権を与えない』と明記しています。その物件に住んだり、使ったりすることはできません。
『小口で自分の別荘を持つ』というイメージとは違う点なので、最初に押さえておきたいところです。
ドバイが不動産の小口化・トークン化を進める理由
ドバイが小口化やトークン化を進めているのは、個別の事業者の都合ではありません。ドバイ政府の施策として、国家戦略に組み込まれています。ここでは、その狙いを3つの観点から見ていきます。
高すぎた入口を下げて、投資家の層を広げたい
現物の不動産を買うには、まとまった資金と複雑な手続きが必要でした。
ドバイ土地局(DLD:不動産登記を管轄する政府機関)は、この仕組みの目的を『投資の入口を下げること』だと説明しています。まとまった資金がなければ手が届かなかった高級物件も、持分単位でなら購入できます。
あわせて『不動産市場を、より幅広い個人・機関投資家に開くこと』も目的に掲げています。誰でも買えるという意味ではなく、参加できる投資家の裾野を広げる狙いです。
入口を下げることと参加者の層を広げることは、セットの狙いです。
海外投資家の参加を目的のひとつに掲げている
ドバイ土地局(DLD)は目的のひとつに『Global Participation(世界からの参加)』を掲げています。これは、DLDが仕組みの意義を説明する項目の中に書かれている言葉です。地元と海外、両方の投資家に新しい扉を開くという理念です。
ただしこれは目的・理念として書かれたものであり、いまの対象者を示すものではありません。日本在住者が実際に買えるかどうかは、このあとの章で確認します。対象が広がるかどうかは、公式の発表を待つ必要があります。
2033年までの国家戦略に組み込まれている
この仕組みは、ドバイ経済アジェンダD33とドバイ不動産戦略2033の一部です。
UAE政府メディアオフィスは2025年3月19日に見通しを発表しています。2033年に不動産取引の7%、AED600億(約2.5兆円)規模になるという内容です。取引そのものがトークンに置き換わる、という意味ではありません。
円換算は1AED=約42.5円(1ディルハム。三菱UFJ銀行TTM・2026年9月18日時点)で計算しています。あくまで見込みであり、確定した数値ではありません。
すでに始まっているドバイ不動産トークンの取引
ドバイ不動産トークンは、構想段階ではなくすでに動いています。2025年3月に試験的に始まり、2026年2月には売買の仕組みが広がりました。ここでは、実際に何が起きているかを投資家目線で見ていきます。
第1号案件は初めての投資家が7割を占めた
ドバイ土地局(DLD)は2025年5月29日、第1号案件の結果を発表しました。参加したのは224人・44か国籍で、平均投資額はAED10,714(約45.5万円)でした。
このうち70%は、ドバイ不動産への投資が初めてだったと明らかにしています。同時点での待機リストは6,000件を超えていました。
続く第2号案件は、2025年6月11日の発表によるとわずか1分58秒で完売しました。149人・35か国籍が参加し、待機リストは10,700人を超えました。
2026年2月から途中で売れるようになった
ドバイ土地局(DLD)は2026年2月9日、フェーズ2の開始を発表しました。2月20日からは、購入後に途中で売買できる仕組み(二次市場)が始まっています。
対象は約780万トークンです。DLDはこれを『管理されたパイロットの枠組み内』での取り組みだと説明しています。
一方でDLDのサービスページは、いまも『Pilot Phase(試行段階)』と表記したままです。売買できるようになったこと自体は大きな進展ですが、位置づけとしてはまだ試行段階にあります。
2026年9月20日時点では、当局の公式発表を確認できる範囲で、対象者を広げる新たな発表は見当たりません。
ドバイ不動産トークンはいくらから?購入・保有・売却の費用
ドバイ不動産トークンには、購入時だけでなく保有中・売却時にも費用がかかります。AED10,000(約42.5万円)を投資した場合を例に、内訳を見てみましょう。
円換算は1AED=約42.5円(1ディルハム。三菱UFJ銀行TTM、2026年9月18日時点)で統一しています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| PRYPCO手数料(2%) | AED200 |
| DLD手数料(2%) | AED200 |
| トークン化費用(0.1%) | AED10 |
| 合計 | AED10,410(約44.2万円) |
最低投資額は公式でも2通りの記載がある
最低投資額は、公式サイトの中でも表記が分かれています。運営元のサイトとヘルプはAED1,000(約4.2万円)からとしています。
一方、利用規約と一部の公式ブログはAED2,000(約8.5万円)からと案内しています。ブログでは『新規募集は2,000から、取引画面での購入は1,000から』と説明されています。
現時点では、約4万円台から8万円台の間と考えておくのが実情に近いでしょう。
購入時のDLD手数料は通常の半分の2%になる
購入時には、3種類の費用がかかります。運営元への手数料2%と、ドバイ土地局(DLD)への手数料2%です。これにトークン化費用0.1%(上限AED850、約3.6万円)が加わります。
通常の不動産購入でのDLD手数料は4%が目安とされており、トークンではその半分になる計算です。購入時の費用の全体像は、購入に関する記事で解説しています。
なお、カード払いを選ぶと、別途0.85%の手数料が加わります。
保有中と売却時の費用は、家賃と売却代金から差し引かれる
保有している間は、家賃収入から費用が差し引かれます。管理会社への報酬や修繕費、保険料、年間の管理料などを引いた残りが投資家に分配されます。
売却時は、取引画面で実際に売れたときだけ1%の手数料がかかります。出品しただけ、あるいは売れ残った場合は無料です。
物件そのものを売って利益が出た場合は、運営会社が超過分の最大15%を成功報酬として受け取ります。
表示されている利回りは見込み値である
運営元の公式サイトには、年8〜12%という利回りの表示があります。同じページには、これが見込みであり、将来・過去の実績や保証された成績を示すものではないという注記が添えられています。
家賃が入らない月や、評価額が下がる可能性もあります。表示されている数字は、あくまで見込みとして受け取る必要があります。
この投資は、預金保護の対象にもなっていません。
日本在住者はドバイ不動産トークンを買えるのか
2026年9月時点では、日本に住んだままドバイ不動産トークンを買うことはできません。ここでは、いまの対象者とその基準、今後の見通しを整理します。

いまはEmirates IDを持つUAE居住者だけが買える
買えるのは、いまのところEmirates ID(UAEの身分証)を持つUAE居住者だけです。運営元のヘルプ(2026年8月18日更新)は、海外投資家を『Not yet(まだ)』と明記しています。
必要なのは、有効なEmirates IDと旅券、本人確認、ドバイ土地局の公式アプリ(Dubai REST)への登録です。年齢要件は、案内によって記載が分かれています。
なお、旅券だけで参加できるのは、金(ゴールド)への投資など別のサービスに限られます。
国籍ではなくUAEに住んでいるかで決まる
対象になるかどうかを分けるのは、国籍ではなくEmirates IDを持っているかどうかです。運営元の公式ブログは『UAE国民である必要はない』と説明しています。
つまり、ドバイに移住してEmirates IDを取得すれば、日本人であっても対象に入りうるということです。移住の条件は、別の記事に詳しくまとめています。
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ドバイ移住はどうすればできる?居住ビザの種類と費用・手順の全体像
海外投資家への開放は準備中で、時期は決まっていない
運営元は『今後のフェーズで対象を広げるため、当局やパートナーと取り組んでいる』としていますが、時期は示されていません。
ドバイ土地局は、2025年5月のローンチ時に『当面はUAE ID保有者のみ、近い将来に世界へ展開する』と発表していました。そこから1年4か月が経過した2026年9月時点でも、海外投資家への開放は実現していません。
いま言えるのは、時期が公表されていないという事実までです。開放されたときに何を確認すべきかを、先に押さえておく方が現実的でしょう。
ドバイ不動産トークンの買い方
いまは日本に住んだままでは購入できませんが、手順を知っておくと開放されたときに判断が早くなります。ここでは公式が示す順序のまま、買い方を整理します。
購入はアプリで6つの手順を踏む
運営元のヘルプによると、購入の手順は次の6つです。番号の順に進めていく形になっています。
1. アカウントを作成する 2. 本人確認を行う(Emirates IDと住所証明を提出) 3. 物件を選ぶ 4. 購入する金額を決める 5. 支払いを行う(銀行振込またはカード) 6. トークンがウォレットに入り、ドバイ土地局(DLD)発行の所有証明書とひもづく
所要日数についての記載はないため、ここでは公式が示す順序だけを押さえておきます。
買う前に物件ごとの評価書や収支見通しを確認できる
各物件のページでは、パンフレット・評価書・ホワイトペーパー・投資概要・収支見通しを確認できます。小口だからといって確認事項が減るわけではなく、現物の購入と同じ姿勢が必要です。
購入前に確かめておきたいのは、運営元やトークンを扱う事業者の登録状況です。ドバイ土地局(DLD)やVARA(仮想資産規制庁)に正しく登録されているかは、自分でも確認できます。確認の視点は、詐欺と金銭トラブルの記事にまとめています。
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ドバイ不動産の詐欺と金銭トラブル|DLD公式サイトで自分で確認する手順
支払いはディルハム建てで、暗号資産は使えない
ドバイ土地局(DLD)は、パイロット期間中の取引はすべてUAEディルハムで行い、暗号資産は使わないとしています。運営元のヘルプも、暗号資産での支払いはできないと明記しています。
報道ではXRPやリップルの名前が見出しに並ぶことがありますが、これは記録の仕組みに関する話です。支払いの手段とは別の話として理解しておく必要があります。
ドバイ不動産トークンの売り方
出口は2つあります。取引画面で持分の一部を売る方法と、保有者の投票で物件そのものを売る方法です。それぞれ仕組みと注意点を見ていきます。

途中で売るなら、取引画面に売りに出す
2026年2月に始まった取引画面(二次市場)は、24時間出品できます。新規募集で買った分は、約3か月は売りに出せません。
売り値は、評価額の上下15%の範囲から5%刻みで選びます。評価はドバイ土地局(DLD)の評価指数か独立した鑑定によるもので、少なくとも6か月ごとに見直されます。
売れた場合は5〜10分ほどで決済され、代金はウォレットに入ります。
物件ごと売るかは、保有者の投票で決まる
もう1つの出口は、物件そのものを売ることです。一定のリターンに達したときや、投資期間の終わりに投票が行われ、過半数の賛成で売却が決まります。
自分の持分だけを理由に売却できるわけではなく、他の保有者との合意が前提になる点が、現物の売却との違いです。
売りに出しても買い手がつくとは限らない
運営元は、取引画面での売却について次のように説明しています。他の投資家が買ったときにだけ売れる、出品しても売却は保証されない、売却にかかる期間は決まっていない、というものです。
『小口だから手軽に売れる』というイメージとは違い、買い手がつかなければ売却は成立しません。売れ残った場合も出品が残るだけで、手数料はかかりません。安く出品するほど売れやすいとも説明されています。
開放前に知っておきたいドバイ不動産トークンの注意点
買えるようになったときに慌てないために、先に押さえておきたい点をまとめます。軸は税金・海外業者との取引・制度そのものの3つです。
日本での税金の扱いは公式にまだ示されていない
日本の居住者は、国内外すべての所得に課税されます。国税庁はそう説明しています。
ただし、海外の不動産トークンがどの所得区分になるかについて、国税庁の公式な記載は2026年9月時点で見当たりません。国外財産調書の扱いも同様です。
制度が追いついていない分野なので、購入を検討する段階では税理士など専門家に確認することをおすすめします。
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日本の登録がない海外業者との取引には注意が要る
金融庁は、海外の業者であっても、日本の居住者を相手に金融商品取引を業として行うには日本の登録が必要だとしています。
登録のない業者とは契約しないよう、注意を呼びかけています。開放されたときも、運営元が日本側でどう扱われるかを確認してから動くと安心です。
制度は試行段階で、条件が変わりうる
ドバイ土地局は、参加者の対象拡大やプラットフォームの追加を、いまも段階的に検討しています。公式のサービスページも、現在は試行段階の表記のままです。
運営会社が事業を続けられなくなった場合は、投資家の多数決で物件を売却し、持分に応じて返金される仕組みです。ただし売却額が元本を下回っても、運営会社は責任を負わないと規約に書かれています。紛争が起きた場合は、ドバイの裁判所(DIFC)で扱われます。
本章の内容は税務・法務の専門的な助言ではありません。実際に購入を検討する際は、税理士や弁護士など専門家に相談することをおすすめします。
今すぐドバイ不動産を持ちたい人ができること
トークンはいまは買えませんが、動ける選択肢は2つあります。現物の購入と、移住してEmirates IDを得る道です。
現物の購入なら日本に住んだままでもできる
小口のトークンはいまは買えませんが、物件そのものの購入は日本に住んだままでも可能です。
費用や手続きの流れは、購入に関する記事で詳しく解説しています。
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ドバイ不動産の購入手順と費用|登記から引き渡しまでの全体像
移住してEmirates IDを得る道もある
UAEに住んでEmirates IDを持てば、国籍にかかわらずトークンの対象に入ります。移住の条件や必要な手続きは、移住に関する記事にまとめています。
ドバイ不動産トークンでよくある質問
制度の細かい点について、よくある質問をまとめました。
ドバイ不動産トークンは暗号資産ですか?
いいえ、暗号資産ではありません。不動産の持分を記録したもので、支払いもディルハム建てで行われます。暗号資産で売買する商品ではないと運営元は説明しています。
報道で見る「XRP」とは関係がありますか?
報道ではXRP Ledgerの名前が挙がります。ただしドバイ土地局は、取引をすべてディルハム建てで行い、暗号資産は使わないとしています。記録の仕組みと支払い手段は別のものです。
利回りは保証されていますか?
保証されていません。運営元の公式サイトは年8〜12%という数字を掲げています。ただし同じページに『見込みであり、保証された成績ではない』と注記しています。賃料が入らない月や、評価額が下がることもあります。
運営会社が事業をやめたらどうなりますか?
規約では、投資家の多数決で物件を売却し、代金を持分に応じて返す仕組みが定められています。ただし売却額が元本を下回っても、運営会社は責任を負わないと書かれています。
日本人がドバイに住めば買えますか?
基準は国籍ではなく、Emirates ID(UAEの身分証)の有無です。UAEに住んでEmirates IDを得れば、日本人でも対象になりえます。
まとめ|ドバイ不動産トークンは開放前の今が調べどき
ドバイ不動産トークンは、物件の持分がドバイ土地局の登記簿に記録される小口投資です。
いまはEmirates IDを持つUAE居住者だけが購入でき、2026年9月時点では日本に住んだままでは買えません。
費用の内訳や売り方の仕組みは、公式情報からすでに見当をつけられます。開放されたときに慌てないよう、税金や規約の注意点も先に押さえておきましょう。
対象者の拡大など新しい発表があれば、その都度この記事に追記します。まずは無料のLINEガイドや勉強会で、制度の全体像をつかんでみませんか。
